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Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅくず

現代日本文学館8 徳田秋声

徳田 秋声

Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ええ、そうなの。そのことで最近田舎から兄もわざわざ出て来たくらいなのよ。何しろあの人なら三田の秀才だし、今度こそは過去を清算して名誉を恢復するのにいい機会だからというので、結婚してもらうように清川さんに話しこんでくれたりしたの。あの人は二三日考えさしてくれということで、その返辞を今日まで待っていたんですよ。そうするとその返辞がこれでしょう。」

葉子はそう言って手提のなかから、揉みくしゃの半ぴらの紙片を出して見せた。庸三はちょっと手に取って見たが、その文面だけでは前後の係りがよくわからず、掻い摘んで言うと、せっかくのお言葉だけれど、いろいろ考慮した結果、遺憾ながら希望にそうわけには行かないから悪しからずという意味で、婉曲に拒絶しているのだった。

「これだけでは何だかよく解らないけれど。」

葉子は紙片を畳んで手提のなかへ入れたが、泣いたあとではいくらか顔も晴れて来た。

「やっぱり私は悪い女なの?」

「さあ。君自身が判断しなくちゃ。」

「そうお。」

車は広小路から坂本の方へ出て行き、狭苦しい町の中の雑踏へ来てから、陸橋の袂で駐まったが、その家はいつ来ても庸三は気分がよかった。