Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
ある時、それはちょうどお盆少し前のことで、置き家では出先へのお配り物などで、忙しい最中に銀子の主人は扁桃腺で倒れ、二階に寝ていたが、かつては十四五人の抱えをおき、全盛をきわめていた松の家というその家も、今度銀子が看板借りで来た時分には、あまり売れのよくない妓が二人いるきりで、銀子の月々入れる少しばかりの看板料すら当てにするようになっていた。しかし主人は人使いが巧いようにやり繰りも上手で、銀子や家人の前には少しも襤褸を出さず、看板を落とすようなことはなかった。
「扁桃腺でそんなに酷くなるなんて可笑しいね。腎臓じゃないのか。」
均平は銀子の松次から、その容体をきいた時、そんな直感が動いた。その主人は五十七で、今の女房が銀子より五つ六つ年若の二十四だということも思い合わされた。
「少し手おくれなの。お医者のいうには、松島さんどうも膿を呑んだらしいというの。もう顔に水腫が来てるようだわ。」
そしてその次ぎに逢った時には、もう葬式のすんだ後であり、銀子も二度も使われた主人であるだけに、何か侘しげにしていた。
「あれからすぐ病院へ担ぎこんだのよ。けどその時はもう駄目だったのね。