Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lesen Sie 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 327.364 Zeichen · 638 Bildschirme
小菊はそこに七年もいたが、次第に土地の狭苦しさに堪えられなくなり、客に智慧をかわれたりして、東京への憧れと伸びあがりたい気持に駆られた。彼女は赤坂へと住みかえた。
松島を知ったのは、ちょうどそのころであった。
松島は儲けの荒いところから、とかく道楽ものの多いといわれる洋服屋で、本郷通りに店をもっていた。年上の女房に下職、小僧もいて、大学なぞへも出入りしていた。この店を出すについての資金も、女房の方から出ていた。松島はそうした世渡りに特別の才能をもっており、女の信用を得るのに生まれながら器用さもあった。
一夜遊び仲間と赤坂で、松島は三十人ばかり芸者をかけてみた。若い美妓もあり、座持ちのうまい年増もあった。その中に小菊もいて、初め座敷へ現われたところでは、ちょいとぱっとしないようで、大して美形というほどでもなく、芸も一流とは言いがたく、これといって目立つ特色はなかったが、附き合っているうちに、人柄のよさが出て来、素直な顔に細かい陰影があり、小作りの姿にも意気人柄なところがあった。
彼は何かぴったり来るものを感じ、かれこれと品定めは無用、今まで人の目につかなかったのが不思議と、思わず食指の動くのを感じた。