후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
夢土
一
けれど伊織の胸には、師の武蔵の悪口をさんざんいわれた憤りがまだそれくらいで消えていなかった。けれどやはり老婆の泣いている姿は彼に悲しかった。伊織は、複雑な気もちに囚われて、指の爪を噛んでいた。
高い崖のうえの部屋で、新蔵が呼んでいる。伊織は救われたように、崖づたいに駈けて行った。
「おい、夕方の赤い富士山が見えるから来てみい」
「あ。富士山」
それで何もかも伊織は忘れてしまった。新蔵もまた、忘れ果てた顔していた。元よりきょうのことを父の耳へ伝えようなどとは、聞いているうちから思いもしないことではあった。
夢土
一
秀忠将軍はまだ三十をすこし出たばかりであった。父の大御所は一代の覇業をまず九分どおりまでは仕上げたというすがたで今は老いを駿府城に養っている。ここまでは父がした、後はおまえがやるのだと、将軍の職を秀忠は三十そこそこで父から任せられたのである。
父の業績は一代を通じての戦争であった。学問も修養も家庭生活も婚姻も、戦争の中でなかったことはない。その戦争はさらに乾坤一擲な次の大戦争を大坂方とのあいだに孕んではいるが、しかしそれはもう長い戦争の終局的なもので、その一戦で長い長い日本の春秋時代も、ほんとの平和に回るだろうと、一般の人心は観ているのである。