후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
九
――その画もわれながら、今朝は気もちよく描けたと思う。
そして、船島へ。
潮にまかせて、渡ろうとする気もちには、なんら常の旅立ちと変った所はなかった。きょう彼処へ渡って、再びここの岸へ帰れるか、帰れないか。今の一歩一歩が、死の府へ向っているのか、なお、今生の長い道へ歩んでいるものか――そんなことすら思ってもみなかった。
かつて二十二歳の早春、一乗寺下り松の決戦の場所へ、孤剣を抱いて臨んだ時のような――ああした満身の毛穴もよだつような悲壮も抱かなければ感傷もない。
さればといって。
あの時の百余人の大勢の敵が強敵か。きょうのただ一人の相手が強敵かといえば、烏合の百人よりもただ一人の佐々木小次郎のほうが、遥かに惧るべきものであることは勿論だった。武蔵に取っては生涯またとあるかないかの、今日こそは大難に違いなかった。一生の大事に違いなかった。
――が、今。
自分を待つ佐助の小舟を見て、何気なく急ぎかけた足元へ、自分を先生と呼び、また、武蔵どのと呼びかけて、転び伏した二人の者を見ると、彼の平静な心は、一瞬、揺れかけた。
「おお……権之助ではないか。ばば殿にも。