후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
四
いうと――伊織は「だって、だって」となお強くかぶりを振って、
「おらは一度、江戸の柳生様のお邸へ使いに行って、夜半に途に迷ってた時、そのお通様っていう人に会ってるもの。――あの時姉さんだと分っていたら、もっとよく見ておくんだったけれど、今じゃ思い出せなくなっちまった。……そう思ってたら、今、僧正さんがお経を上げているうち、掌を合してると、大日様が姉さんの顔になったんだよ。ほんとに、何かおらへいったような顔をしたよ」
「……ふうむ」
権之助は、もう否定できなかった。そして、いつまでも金堂の縁から離れ難いここちがした。
ふところ谷は日暮れが早い。峠のかげにもう陽は沈み、多宝塔の屋根の水煙だけが、七宝の珠でちりばめたように、燦々と夕陽の端をうけている。
「ああ。死んだ母へ、及ばぬ回向だが、きょうは生きてる身にも、善根のよい一日を送ったなあ。……血臭い世間は嘘のようだ」
薄暮のあいろに向って、二人はなお、そこの縁に腰かけていた。
四
どこかでサラサラと落葉を掃くような音がする。権之助が、
「おや」
と、右の崖を仰ぐと、崖の中腹に、室町風の古雅な観月亭と廟があって、狭い石ころ道は苔むして見え、その辺を縫ってなお、幽翠な山の上へつづいている。