후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
近づいて、中を覗くと、おばばの声は、確かに、その洞穴の奥から洩れて来るのだった。
けれど窟の口には、彼女の力ぐらいでは、動きそうもない大きな岩が、三つ四つ積み重ねてあり、出入りを封鎖してあるのだった。
「どなたじゃ! ……。それへ来たのはどなた様じゃ! もしやこのばばが日頃信仰する観世音菩薩の化身ではお在さぬか。あわれ、お助けなされませ。――外道のために、この難儀な目に遭うた不愍なばばを!」
ばばは、外の人影を、岩と岩の隙間からひと目見ると、こう狂喜して叫び出した。
半ば、泣くように、半ば、訴えるように、そして、生死の闇に、日頃信仰する観音の幻覚を描いて、それへ生きたい一心を祷りつづけた。
「――欣しや、欣しや。ばばの善心を、日頃から憐れと思し給い、この大難へ、仮の御姿して、救いにお降り下されましたか。大慈大悲、南無、観世音菩薩――南無、観世音菩薩」
それなり――
はたと、ばばの声は、もうしなくなった。善哉。
思うに、ばばは、一家の長としてまた、子の母として、人間として、自分は善人無欠の人間と信じているのだ。自分の行為はすべて善なりとしているのだ。