후리가나로 읽는 일본 고전
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면
手に持つ新しい笠や草鞋。その他一物たりとも何か世間の人の情けの籠った物でない物はない。
いわんや、碌々、米も作らず布も織らず、百姓のたがやす粟を喰っている身は――まさしく世間の恩で生きている。
(何をもって酬いようか)
心をそこにおく時、彼は、世間に対して慎む心こそあれ、迷惑がる気もちなど起すのは勿体ないと知るのだったが――しかし、その好意が余りに、自分の真価に対して過大であり過ぎる時、彼は、世間を恐れずにいられなかった。
とつこうつ。
別辞。
また、海上無事の祈り。
旗やら、会釈やら。
送る者、送らるる者の間に、眼にみえぬ時はながれて、
「――おさらば」
「おさらば」
船は、纜を解き、武蔵は船に、人々は岸に残って、呼び交う間に、大きな帆は青空に翼を張った。
すると、一足おくれて、
「しまった」
と、船出の後へ、駈けつけて来た旅の者があった。
三
港を出たばかりの船は、彼方に見えているのに、わずかな遅刻で、それに間に合わなかった若者は、返す返す地だんだを踏んで、
「ああ、遅かった。こんなことなら眠らずにでも来るのだったのに」
及ばぬ船の影を見送っている眼には、ただ乗遅れただけではない、もっと切実な恨みがみえた。