일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

吉川 英治의 宮本武蔵(七)(みやもとむさし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 350,912자 · 702화면

아오조라 문고

波音と、風に紛れて、縫殿介がいる辺りまでは、人々の声も、巌流のことばも、聞えては来なかったが、巌流の面には、これから生死の場所へ臨む者とは見えぬ和やかな笑みが、遠くからでも明るく見えた。

彼は、その笑みを、能うかぎり、知己朋友に、万遍なくふり撒いて、やがて、どよめく声援者につつまれながら、新しい小舟へ乗った。

弟子の辰之助も乗った。

船手方の藩士が、二人乗りこんで、一名は舳に腰かけ、一名は櫓をにぎる――

それと、もう一つの供のものは、辰之助の拳に据えて来た鷹の天弓である。小舟が岸を離れると一斉に歓声を送った人々の声に愕いたのであろう。天弓は、パッとひとつ、大きく翼を搏った。

二

浜辺に立って見送っている人々は、いつまでも立ち去らなかった。

それへ応えて、巌流も、舟の中から、振り向いていた。

櫓を漕ぐ者も、殊さら、舟を迅く行ろうとはせず、大きく弛く、波を切っていた。

「そうだ、時刻が迫った。おやしきの旦那様にも早……」

縫殿介は、われに回って、たたずんでいる磯松の陰から、急に帰りかけた。

その時、ふと気づいたのであった。彼が姿を倚せていた松から六、七本目の同じような磯松の陰に、ひたと身を寄せて、独り泣いている女がある。