轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うえすぎけんしん

上杉謙信

吉川 英治

「週刊朝日」1942(昭和17)年1月4日号~5月24日号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 129,102 字 · 256 页

青空文庫

大乗小乗

一切、ことばには尽せぬが、御愍察あって、私の身勝手、どうかおゆるし賜わりますように」

縷々として、義清は、衷心のものを吐いた。

謙信は、ややしばし、うす眼をとじて、聞いていたが、彼が、その苦衷を長々と述べ終ると、初めて、刮と、瞼をひらいた。

「だまれ。……義清どの。だまんなさい」

声はひくい。

しかし、実に、盤石をもって、そっと頭から圧するような声調であった。

大乗小乗

「はっ。……はいっ」

義清は思わずおののいた。

日常の謙信公はまるで女性のようだとたれもいう。その人から畳のうえでこれほど恐い眼を向けられたことは、九年のあいだでも初めてであった。

謙信は決して猛らない。吠えない。けれどいかに静かな声のうちにも、怒りはふくむものである。たしかに、彼は怒っていた。

「何をいうか。何をいわるるのだ。だまって聞いておれば、あなたは戦というものを、さながら人間の物好きか、退屈人の気散じの如く心得ておられるらしい」

「め、滅相もない。不肖、村上義清ほど戦の艱苦を、つぶさに嘗めて来たものはございませぬ。戦の惨禍は、骨髄にまで、知り尽している身なればこそ」

「やかましい」