轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页
二人の同伴者がどうしたかは見なかった。
道へ出ると、もう黄昏の色が濃くなっていた。その道は「芳爺さん」と二度めに会ったところであり、初めて青べかの売込みをされた記念すべき場所であった。
「おばさんは」歩きだしながら、私は長に訊いた、「あのおふくろさんは、長とお静たちの本当のおっ母さんだったな」
長の上に、鉄なあこ、久なあこの男二人と、姉が二人いた。長の下に一つ違いぐらいでお静という妹と、五歳ぐらいの、いつも泣いてばかりいる弟がいて、その三人がのちぞいの妻の子である、と聞いていたのである。ところが、私の問いに対して長はあっさりと首を振った。
「おっ母あはみんなの継母だよ」と彼は云った、「おらたちみんなが生れてっから来ただよ、そんだからうちはずっとうまくいってるだよ」
私はそこで黙った。
長男の鉄なあこは、専属の船頭である倉なあこ(ぐず倉)とともに、浦粕きっての腕っこきといわれた。それがどうして「千本」を出ててんぷら屋などになったのか。また次兄の久なあこは当時は小学六年生ぐらいだったが、やはり家を出て、いまでは「千本」の隣りに小さな「久千本」という釣舟宿を経営している。