轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页

青空文庫

水汲みばか

こうして、「しっつぁんはすっかり役者(賢いというほどの意味)になった」という評が弘まった。

水汲みばか

私は根戸川の堤で釣りをしていて、初めてその男に会った。

その男が来るまえ、倉なあこが通りかかって、私のうしろに立停り、暫く黙ってようすを見ていた。倉なあこは船宿「千本」の若い船頭で、背丈が高く、男ぶりがよく、いつも頬っぺたが赤く、また、この土地の青年にしては珍しく無口で、理屈も云わず、そしてみんなに好かれていた。

「なにを釣ってるだ」倉なあこが訊いた。

私は困った。なにを釣るなどという思いあがった考えは私にはない。なにかが釣れてくれればいいので、なにが釣れるかは先方しだいだからである。

「鯉かね」倉なあこがまた訊いた。

私はタバコを出して彼にすすめた。

「いいだよ」と倉なあこは云った、「おらめしのあとで一本吸うだけだ」

私はタバコに火をつけた。すると水面の浮子が動いて、強く水の中へ引きこまれ、私はタバコの煙にむせながら竿をあげた。釣れたのは大きな鯊であった。

「二歳だな」と倉なあこが云った。

私は鯊を鉤から外してバケツに入れ、新しい餌を付けて、また糸を投げた。