轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页

青空文庫

――田舎はおっかねえからな、とそのとき池部さんは明るく面白そうに笑って、私に注意してくれた。君もよく気をつけたほうがいいぜ。

それを思いだしたので私は、顔にも声にも屹とした感じをあらわし、ビール一本と二人の食事を注文したうえ、「それだけである」ことを繰返した。あとで考えると、それは蒸気河岸から堀について曲った左側の「栄家」という店であり、半年ほどのち、私が町へ住みついてからは彼女たちとも親しく口をきくようになった。そうなってみると、ごったくやの女と呼ばれる彼女たちが、みな神の如く無知であり単純であり、絶えず誰かに騙されて苦労していながら、その苦労からぬけだすとすぐにまた騙されるという、朴訥そのもののような女性たちであることがわかった。――けれども、そのときは、まだその間の事情が不明だったので、おさおさ警戒を怠らなかったのである。はたせるかな、と云ってもいいだろうが、私と友人が坐るとまもなく、潮やけのした逞しい躰躯の女性が三人、手に手にビールを二本ずつ持ってあらわれた。

――ちょっと待った、と私は片手をあげて云った。そこでちょっと待ってくれ。

彼女たちは廊下で立停った。