轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页

青空文庫

「寅の八白だなんてぬかしゃあがって」と勘六が云う、「てめえなんぞ本当はひのえんまの元締じゃあねえか」

「干支しらべならてめえのを先にしろ」とあさ子はやり返す、「笑わしゃあがって、てめえなんぞ午どしなら竹んま、寅どしなら張子の虎がいいところだ、すっこんでやがれ」

勘六は博奕打だといっていた。東京深川のなにがし組で、かつてはあにい分だったという。酒を飲むときまって、そのころの派手なでいり話を口演するが、それもときと場合でいろいろと趣向を変えるだけの努力を払うのだが、身をいれて聞く者は誰もなかった。それについて、若い船頭の倉なあこが、いつも赤い頬ぺたに穏やかな微笑をうかべながら、次のように語ったことがあった。

何年かまえ、堀東の理髪店に杉さんという渡り職人がいた。五十年配の独り者で、半年ほどしかいなかったが、勘六のでいり話を幾たびか聞いたのち、そういう語り物はしょうばい人に任せとくがいい、と云った。しょうばい人たあなんのこった、と勘六はひらき直って左の腕を捲った。左の二の腕にはんにゃの面の刺青があって、勘六がどすをきかせようとする場合の薬味になった。杉さんはそんなものには眼もくれずに答えた。