轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页

青空文庫

稿料は前者が一回「五」であり、後者が一編「四〇」または「五〇」くらいであった。もちろんその差は原稿の枚数によるのであるが、――そして、それで足りないところは、京橋木挽町に店を持っていた恩人、山本洒落斎翁のところへ借りにゆく、それも極めてしばしば借りにいったものであった。

それなら青べかを失ったことが、非常に惜しかったかといえば、それもはっきりとは答えられない。一種の厄介ばらいをしたような、肩の荷をおろしたような気持もしたからである。とにかく、明日になったら川筋や堀を捜してみよう、そう思って私は家へ帰った。

明くる日、朝めしのあとで私はでかけた。悪童どもは学校であるが、私は自尊心のために舟を捜すようなそぶりは示さず、眼の隅で注意しながら歩いていった。蒸気河岸では三十六号船の留さんが声をかけ、景気はどうかと訊いた。船宿「千本」の店の前では、おきぬという女が縄舟の餌付けをしながら、たまには遊びに来い、と呼びかけた。堀へ曲ると海苔屋のおばあさまが挨拶をし、町役場の増山さんと会い、ごったく屋の「栄家」の前では、泊り客を送り出した実永(むろん仇名で****と読むのだが、本名は知らない)が、ちょっと寄ってゆく気はないか、とさそいかけた。