轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

「文藝春秋」1960(昭和35)年1月号~1961(昭和36)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 160,888 字 · 317 页

青空文庫

それにもかかわらず、彼女の躯の一部は信じられないほど美しかったのだ。両の内股は少女期をぬけようとするふくらみをみせていた。両股のなめらかな肌が合って、臀部へと続く小さな谷間は、極めて新鮮に色づいていたし、膝がしらから踵へとながれる脛の内側も、すんなりと白くまるみをもっていた。それは、成長しつつあるものだけがもつ神聖な美しさ、と云うべきもので、たとえどのようにあからさまになったとしても、決してみだらな感じは与えなかったであろう。ほんの一瞬間ではあったが、私はその美しさに深く感動した。

そのまえの年、お繁は妹と二人で両親に捨てられた。妹は生れてから百日くらいしか経っていなかった。

お繁の父は源太といい、釣舟の船頭であった。源太は鱸釣りの名人で、どんな漁師も鱸釣りでは彼にかなわなかった。或る年のこと某県の知事が来て、源太の舟で鱸釣りをした。知事はもと某省の大臣であり、魚釣りと俳句がうまいので知られていたが、一度で源太が好きになり、機械船――発動機を備えた釣舟――を買って与えた。源太がいかに鱸釣りの名人だったかということを、適切にあらわす言葉があった。

「さあて」