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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁
……ですから、父とも計らい、後刻、隙を見て、武蔵様をここへお連れ申して参りますゆえ、それまで、窮屈でもここに待っていて下さい」
「ではきっと、これへ武蔵どのを、案内して来て下さるかの」
「迎えの小舟から、武蔵様が上がりましたら、ひとまず、染屋の縁を借りて、家中どももご一緒に休息となりましょう。……その間に、ちょっとお連れ申します」
「待っていますぞよ。固くたのんだぞ」
「そうして下さい。……お通どのも、その間、そっと寝んでおられたがよい」
いい捨てて、城太郎は遽に気も忙しげに、元の浜辺のほうへ駈け去った。
ばばは、お通をそっと、苫の陰の臥床へ抱えて、
「寝ていやい」
と、労った。
木枕に、面を伏せると、お通はしばらく咽せているのだった。今、急激に身を動かしたのが悪かったか、あまりに潮の香が強いためか――
「また咳が出るのう」
ばばは、彼女の薄い背をさすって与えながら、その病苦を紛れさせようとしてか、頻りに、武蔵がここに見えるのも、もうわずかな間と、うわさした。
「ばば様。もう何ともございません。ありがとうございます。勿体ない、どうぞお手を休めて」
咳がやむと、彼女は、髪のみだれを撫であげて、ふと、わが姿を顧みた。