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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

武蔵は、気がついて、

「おう、亭主どのか。……さ、はいられい、そのように閾際で、なにをご遠慮」

「いえ、今朝はもう、そうしてもおられますまい。……やがて、お時刻が迫りまするが」

「承知しています」

「お肌着や、懐紙、手拭など、お支度の物を取揃えて、次の部屋に置きましたゆえ、どうぞいつなりとも」

「かたじけのうござる」

「……そしてまた、てまえどもへくださるための画でございましたなら、どうぞもうお捨て置きくださいまして。……また、首尾よう船島からお帰りの後にはゆるゆると」

「お気づかいなさるな。どうやら今朝は、すがすがしゅうござるゆえ、かような時に」

「でも、時刻が」

「存じています」

「……では、お支度にかかる時には、お呼びくださいまし、あちらで控えておりますから」

「恐れ入るのう」

「どういたしまして」

かえって、邪魔をしてもと、太郎左衛門が退がりかけると、

「あ。亭主どの――」

と、武蔵のほうから呼び止めて、こう訊ねた。

「この頃の、潮の満干は、どういう時刻になっておろうか。今朝は、引潮時でござるか、上げ潮時でござろうか」

七

潮の満干は、太郎左衛門には、店の商売上と、直接の関係があるので、問われると、言下に、