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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

わしの居間へご案内いたしておけ」

取次が立ち去ると、

「辰之助」

と、外へ呼んだ。

彼の小姓同様に、常に側にいる内弟子の辰之助は、

「はい。御用ですか」

小屋の内へはいって、彼のうしろに片膝を折り敷いた。

「きょうは十一日。いよいよ、明後日のことになったな」

「近づきましてございます」

「明日は、久しぶりに登城、殿様にごあいさつ申しあげ、心静かに、一夜を待ちたいものだ」

「それにしては、あまりにご来客が混みあいまする。明日は、一切、お客とお会いを避けて、静かに、時刻も早目に、お寝みなされますように」

「そうしたいものだ」

「広間のお客衆は、ひいきの引倒しというものでございます」

「そういうな、かの衆も、巌流の肩持ちする気で、近郷や遠国から来ておる人々だ。……がしかし、勝敗は時の運。――運ばかりではないが、兵家の興亡も同じこと。もし巌流亡き後は、わしが手文庫のうちの遺書二通。一通は岩間殿へ、一通はお光へ、そちの手から渡してくれ」

「御遺書などとは……」

「武士のたしなみ。あたりまえなことだ。また、当日の朝は、介添一名の同行はゆるされておるから、船島まで、供をして、そちも行け。