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みやもとむさし

宮本武蔵(七)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《宮本武蔵(七)(みやもとむさし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 350,912 字 · 702 頁

青空文庫

――よいか」

「冥加なお供、ありがとう存じまする」

「天弓も」

と、止り木の鷹を見て、

「そちの拳にすえて、島まで、連れて参ろうな。――海の上一里もある船の中、慰みにもなるで」

「心得ました」

「では、岩国の叔母御に、あいさつして来ようか」

巌流は出て行った。しかし、そうした人と会うことは、今の心境は、いかにも億劫らしく見えた。

岩国の叔母は、もうきちんと坐っていた。夕焼雲は、焼刃金の冷めたように黒くなって、室内には、白い灯しが燈っていた。

「やあ、これは」

末座にさがって、巌流は頭を低く下げた。母の亡い後は、ほとんど、この叔母の手で育てられたのだった。

母には、子にあまい所もあったが、この叔母には、みじんもそういう所はなく、ただひたすら、姉の子でありまた、佐々木家の家名を担う小次郎巌流に対して、よそながらでも、絶えずその将来を見まもっていたただ一人の身寄りであった。

六

「小次郎どの。聞けばこの度は、いよいよ、生涯の大事にのぞむそうな。岩国の故郷元でも、えらい噂。じっとしているにもいられず、お許の顔見に出て来ました。――ようまあ、ここまで立派に出世してござったの」