Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
「ふふん妙なことをしやあがる」
こう思いながら宗三郎、切り込んで行こうとするのであるが、眼移りがして切り込めない。気が付いて仁右衛門と浜路を見た。これもやっぱり逃げられないと見え、太刀をピッタリ構えたまま、同じ渦中に縮んでいる。
「残念」とばかり宗三郎、己と己へ勇を付け、胴へ引き付けた太刀の鎬、それへ左手をグッとあて、駈け込んで突く心組み、「ウン」と気合いをこめたとたん、円陣グ――ッと開き渡った。とガ――ッと烏笛、一声吹いたはお紋らしい。
またまた合図、その一刹那、数十人の女忍び衆、グルグルグルグル渦巻きながら、一斉に右手を宙へ上げた。風を切ったと思った時、霰のように何か飛んで来た。顔と云わず手と云わず、山影宗三郎の全身へ、気味の悪いもの飛び付いて来た。
「何んだこいつは!」と仰天し、思わず手を上げて顔を押えた。鳥モチではないがそんなような物だ。捕り物道具の一種だろう、ベタベタ全身にくっ付いた。引き放そうとしても放れない。
グルグルグルと渦が巻く、ヒラヒラヒラと手が上がる、そのつどそいつが飛んで来る。口を蔽い鼻を蔽う、眼をふさぎ耳をふさぐ。窒息させようとするのである。