Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
斬ってかかった数人の武士
「これ、何者、人違いをするな! 拙者山影宗三郎、水戸家の藩士、当地では旅人、怨みを受ける覚えはない!」闇を通して窺った。
敵は正しく武士姿、無言でジリジリと付け廻して来る。大した手利きでもなさそうだ。
「おかしいなあ」宗三郎、刀も抜かずに思案した。「ははあさては物取りかな? それとも尾張家の悪侍の、酔狂の果ての辻斬りかな? どっちにしても物騒な奴だ」もう一度声をかけて見た。
「これこれお武家、理由を云わっしゃい! 辻斬りならば悪戯に過ぎる、懲しめのため、ぶっ払う! 物取りならばお気の毒だ、大して金子も持っていない。それとも遺恨の闇討ちかな? どうだどうだ、理由を云わっしゃい!」
やっぱり無言、ただジリジリと、敵の侍付け廻して来る。
「うるさい奴だな、嚇してやろう。肩のあたりを、峰打ちに一つ!」
で、宗三郎スッと抜いた。ヒョイと柄を一捻り、峰を上に片手上段、例によって左手をブラブラ遊ばせ、しばらく様子をうかがった。
「行くぞよ」と云うと宗三郎、一歩どころか一息に、スルスルと五、六歩進み出た。
ギョッとしたらしい敵の侍、なだれるように退ったが、掛け声もなく飛び込んで来た。