Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
お仙に味方する地廻りの群
思いも設けない戦術である。さすがの山影宗三郎も、ハッ、ハッハッと息を切らし、顔を地へ垂れ太刀を捧げ、キリキリと独楽のようにぶん廻った。避けよう避けようとするのである。だが無数に飛び付いて来る。次第次第に息が詰まる。だんだん神気が疲労れて来る。あぶないあぶない、捕らえられるだろう。
これほどの騒ぎだ、両側の家では、戸を開け窓を開け窺っている。来かかった旅人が引っ返す。逃げ出す者、見に来る者、人を呼ぶ声、騒がしい。
と、七ツ寺の蝮酒屋、そこの表て戸がコトリと開き、
「何んだろう往来がやかましいが」こう呟いた女がある、お仙である、組紐のお仙!
と、二三人の地廻りらしい男、声高に喋舌りながら走って来た。
「山影とかいうお侍さんが、可哀そうに殺されそうだ」
お仙に味方する地廻りの群
「山影さんというお侍さん、可哀そうに殺されそうだ」
こいつを耳にした組紐のお仙が、飛び出して行ったのは無理ではあるまい。
「もし山影というお侍さん、どこでどいつに何んのために、殺されかかっておりますので?」
こう叫ぶと組紐のお仙、一人の地廻りへ武者振りついた。
仰天したのは地廻りで、ヒャッと喚くと飛び退いたが、「何んだ何んだ、お仙ちゃんじゃアないか!」