Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
一人は英雄一人は仙
「うむ」というと尾張宗春、胸を反らして快活に笑った。「云ってもよいかな、余の本心を!」
「どうぞ」というと眼を垂れた。
「余こそお前を活用したものだ」
「さよう!」と道人手を拍った。
「単に私は木賊の役、殿が名玉でありましたゆえ、光を発したのでございます」
「だが道人、お前は仙だ」
「では」と道人微妙に笑った。
一人は英雄一人は仙
微妙に笑った薬草道人、
「私が仙でございましたら、では再び山へ隠れ、鳥や獣を相手とし、くらしをしなければなりますまい。事実私は人界を去り、山へ入るつもりでございます」ここでじっと宗春を見た。「それに反して殿は英雄!」
「ではいつまでも人界に住み、人間のために尽くさなければなるまい」
「さようでございます。事業をなされて」
「破壊ではなくて、建設的事業!」
「それが大事でございます」
「艱難はむしろ余の方に多い」
「人間を相手でございますからな。……殿は艱難に堪えられましょう。また堪えなければなりません」
「道人」というと尾張宗春、なつかしそうにしんみりと続けた。「お前と別れたら寂しくなろうよ」
「殿!」と道人は慰めるように、「そうでなくとも人主というものは、寂しいものでございます」