Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
眼を曇らせる恋の涙
「かしこまりましてございます。毎日参ることに致しましょう。ええと、ところで道人様には、どの方面へおでかけで?」彦兵衛恭しく訊いたものである。
眼を曇らせる恋の涙
どの方面へ行くかと聞かれ、薬草道人気が附いた。「さようさ、どっちへ行こうかな?」それからちょっと考えたが、「つまり何んだ、どこへ行ってもいいのだ。寂しい山中にいたのだから、賑やかな町の方へ行こうと思う。そうして何んだ遊び方々、俺は手製の膏薬を、雨降らせてやろうと思うのだ。つまり日本の国中を、膏薬だらけにするんだなあ。……まず真っ先に福島へ行く。さてそれから中仙道を、名古屋の方へでも行くとしよう」
「お別れ惜しゅうございますな」彦兵衛老人寂しそうにした。「私もお供を致したいもので」
「莫迦を云わっしゃい、彦兵衛さん。お榧さんやお六さんをどうする気だね」
「へい、さようでございますな。ああいう係累のある以上、お供は出来そうもございませんな」
「私にしてからが大勢はいけない。大名行列という奴は、山師の看板と同じだからなあ。猪十郎さんと紅丸さん、眼を病んでいる白烏さん、三人のお供で充分だ。ではいよいよお別れとしよう猪十郎さんや、車をお引き」