Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
彦兵衛曰く五日遅い
……山影様は妾のもの、他へやることではございません」
三人三様の意見がある。なかなか互いに引っ込もうとはしない。
と浜路が云い出した。
「しかし肝心の山影様が、道人様の後を追い、里へ下ってしまわれた今は、何を申しても仕方のない事、妾はひとまず家へ帰り、旅装を調え改めて、山影様の後を追い、福島から中仙道、名古屋であろうと江戸であろうと、山影様と逢うまでは、おさがしするつもりでございます」
「それでは妾も」とお仙が云った。「かけかまいのない蝮捕り、誰に別れの言葉もいらぬ、すぐに追っかけ参りましょう」
「妾も」云ったのはお吉である。「螢ヶ丘へまず立ち寄り、旅仕度をしてさてそれから。……」
一人は萩原、一人は螢ヶ丘、お仙ばかりはどこへも寄らず、チリヂリバラバラに別れたが、はたして誰が真っ先に、宗三郎を目付け出すことだろう?
それはとにかく、この日の夕方、彦兵衛老人の門口を、そっと覗いている男があった。
「お榧婆さんに逢いたいものだ」
他ならぬ伊集院五郎である。
と、内から恒例の、夫婦喧嘩の声がした。
彦兵衛曰く五日遅い
お榧と彦兵衛、恒例の喧嘩――
「四日も五日も家を開けて、いったいどこをウロツイていただあ! このロクでなしの爺さんはよ?」