Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
艶かしい八重梅の部屋
……銭貰いなら往来でやりねえ。小屋の裏口へ乗り込むなんて、小屋者の作法に外れていらあ。出ねえ、出ねえ、うしゃッがれ!」
「ああお宝かえ、お宝のことかえ?」こう云うとヒョイと烏組のお紋、袖から小粒を取り出した。「妾もうっかりしていたよ、早く上げりゃアよかったにねえ。……さあさあお取り、遠慮はいらない。……ところで太夫はおいでかね」
「へいへいおいででございます」
「それじゃアこいつを渡しておくれな」懐中から書面を取り出したが、この頃八重梅は自分の部屋で、女弟子を相手に話していた。
艶かしい八重梅の部屋
ここは八重梅の部屋である。
女役者の部屋だけに、万事万端艶かしい。衣桁には赤い衣がかかっている。開荷にも赤い衣が詰まっている。円型大鏡の縁も台も、燃え立つばかりの朱塗りである。ちらばっている座布団にも、赤い色が染め抜いてある。鬘台に置かれた鬘にも、赤いキレがかかっている。
その真ん中に片膝を立て、話しをしている八重梅の手には、朱羅尾の煙管が保たれている。
大目蝋燭が四本がところ、部屋の中を明るく照らしている。その焔先がチラチラする。と、部屋の中のあらゆる物が、それに連れてチラチラする。