Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
天文学者西川求林斎
その時進んだのがお絹である。
「仁右衛門様とやら小柄拝借!」
「そういうあなたは?」と驚いたらしい。
「大事ござらぬ」と山影宗三郎、「我々の味方、水戸の忍び衆、鷺組の頭のお絹殿。……」
「して小柄は?」と萩原仁右衛門。
「折悪しく失った畳針……」
「拙者も大小をもぎ取られ」宗三郎苦笑い。
「で、小柄さえございましたら、こんな牢など手間暇いらぬ、すぐに破ってお目にかけます」
「さあ小柄! それから大小」仁右衛門牢格子から差し出した。「庭で叩き切った警護の武士から、浜路へ渡そうと存じましてな、奪い取ったところの大小でござる」
「千万お礼!」と宗三郎。
その時シトシトと廊下づたい、近寄って来る人の足音!
天文学者西川求林斎
まさに脱牢しようとした時、近寄って来る足音がした。
「見廻りと見える、機を失したかな」仁右衛門そっちをうかがった。
「牢さえ出ればこっちの者、手向かい致さば死人の山」宗三郎意気込んだ。「お絹殿、お絹殿、早く錠を!」
「はい」というとガチンと音! 同時に牢屋口がグーッと開いた。
「隣りの牢を!」
と三人ながら、ヒラリと牢前へ飛んで行った。
ガチンとふたたび錠の音! 苦もなくお絹あけたのである。