Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
ところが花魁ときたひには、活きている時から色道地獄、もうそれだけでもたまるまい。ところで猛火に焼かれた上、池へ飛び込んで死んだというから焦熱地獄と八寒地獄、こいつを経たというものさ。その上死んでからは無縁仏だ。これじゃア実際浮かばれまいよ。――と思ったから涙が出たのさ。え、ところがどうだろう、その時一人のお嬢さんが、俺にこんなことを云ったものさ。『上流の方々の亡くなられたのは、ほんとにほんとにお気の毒ですが、こんな吉原の花魁なんか、死んでしまった方がよござんすね』とね。そのお嬢さんだがこの俺を、実は愛してくれていてね、俺がその時合槌を打ったら、たしかに夫婦になれたことと思うよ。とても綺麗なお嬢さんでね、そうして大変お金持ちでもあった。だが俺は合槌を打たなかった。そうそう合槌を打つかわりに、ヒョイとお嬢さんを抱いたってものさ。するとお嬢さんが早合点をして、俺の胸へ額をうずめたが、『愛していてよ、ええあなたを!』恋の告白をしたんだねえ。だがその後でお嬢さん、ひどく驚いたに相違ないよ。というのは俺が足の先でス――ッと障子を引きあけて、そうしてお嬢さんを部屋から出し、今度は両手で障子を握り、唐天竺へでも響きそうな、途方もない大きな音を立て、ピシッと閉め切ってしまったからさ。