Japanische Klassiker mit Furigana
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にんきょうにとうりゅう
任侠二刀流
国枝 史郎
Lesen Sie 任侠二刀流 (にんきょうにとうりゅう) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 224.569 Zeichen · 451 Bildschirme
ポーッと立ち上がる湯気を嗅ぐと、
「やっぱりそうか、思った通りだ」蓋をするとグイと向き直った。「お侍さん、お坐りなされ!」まさに威厳のある声である。
「はっ」というと若侍、ベタベタと坐ったが両手を突き、額を畳へ摺りつけてしまった。肩が細かく刻まれているのは、極度に恐れているからであろう。
「顔をお上げ!」と薬草道人、「で、お名前は、何んと云われる?」
顔を上げた若侍、「近習役で志水幹之介!」
「うむ」というと覗くように見た。「これは不思議」と心で云った。「大逆人の相ではない。むしろ真面目で誠忠で、一本気の人間の人相だ」なおつくづく見守ったが、「ははあ美男で年が若い、恋の陥穽に落ち込んでいるな? そういえば命宮に蔭影がある。水星がネットリと粘っている。何んだこの眼は! 魘されているようだ! ああ可哀そうにこの侍、妄執を払うことは出来そうもない。道人一膝進めたが、さらに四辺を憚かるように、「幹之介殿、お尋ねしたい、砒石どこから手に入れられたな?」
「は?」と云ったが幹之介には、何んのことだか解らないらしい、
「は、砒石と仰せられるは?」
「大毒薬の砒石でござる」
「存じませんでございます」