Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
三国志
日輪
一
日輪
一
呉侯の妹、玄徳の夫人は、やがて呉の都へ帰った。
孫権はすぐ妹に質した。
「周善はどうしたか」
「途中、江の上で、張飛や趙雲に阻められ、斬殺されました」
「なぜ、そなたは、阿斗を抱いてこなかったのだ」
「その阿斗も、奪り上げられてしまったのです……それよりは、母君のご病気はどうなんです。すぐ母君へ会わせて下さい」
「会うがよい、母公の後宮へ行って」
「ではまだ……ご容体は」
「至極、お達者だ」
「えっ。お達者ですって」
「女は女同士で語れ」
いぶかる妹を、膠もなく後宮へ追い立て、孫権はすぐ政閣へ歩を移して、群臣に宣言した。
「予の妹は、玄徳の留守に、その家臣どもから追われ、今日、呉へ立ち帰った。かくなる上は、呉と荊州とは、事実上、なんらの縁故もないことになった。即時、大軍を起して、荊州を収め、多年の懸案を一挙に解決してしまおうと思う。それについて、策あらば申し立てよ」
すると、議事の半ばに、江北の諜報がとどいて、
「曹操四十万の大軍を催し、赤壁の仇を報ぜんと、刻々、南下して参る由」と、あった。
俄然、軍議は緊張を呈した。
ところへまた、内務吏から、
「重臣の張紘、先頃から病中にありましたが、今朝、息をひきとるにあたり、遺言の一書を、わが君へと、認め終って果てました」