Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

二

早く出ろ。早く道を拓け」

狂気の如く、彼が叱咤していると、その側にあった一輛の車がひとりでに焔を噴き出した。

いよいよ愕いて、全軍われがちに、谷の奥へなだれ打ってゆくと、轟然大地が炸けた。烈火と爆煙にはねとばされた蛮兵の手脚は、土砂と共に宙天の塵となっていた。

二

兀突骨は白象の背から跳びおりた。白象は火焔に狂って火焔の中へ奔りこんで自ら焼け死んだ。

彼は断崖へしがみついて、逃げ登ろうとしたが、左右の山上から投げ炬火が雨の如く降り注いでくる。のみならず、岩間岩間や地の下に隠れていた薬線に火がつくと、さしも広い谷間も、須臾にして油鍋に火が落ちたような地獄となってしまった。

火の光は天に乱れ、炸音は鳴りやまず、濛々の煙は異臭をおびてきた。

烏戈国の藤甲軍は、一兵ものこらず、焼け死んでしまった。その数は三万をこえ、火勢のやがて冷めた後、これを盤蛇谷の上から見ると、さながら火に駆除された害虫の空骸を見るようであった。

孔明は、翌日そこに立ち、はらはらと涙をながして、

「社稷の為には、多少の功はあろうが、自分は必ず寿命を損ずるであろう。いかにとはいえ、かくまで、殺戮をなしては」