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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

二

まだ一つの王徳も施さないうちに、たとえ後漢の朝は亡んだにせよ、予がそのあとを襲ったら、やはり曹丕のような悪名をうけるであろう。ふたたび云うな。予にはそんな望みはない」

どうしても玄徳はききいれないのであった。

孔明は黙然と退出した。

そして、そのことから後、病と称して、政議の席にも、一切、顔を出さなくなった。

「よほど、重態のようか」

玄徳は心配しだした。ついに耐え難く思ったものか、一日、彼はみずから孔明の邸を訪うて、その病を親しく見舞った。

二

孔明は恐懼して病褥を出、清衣して、玄徳を迎えた。彼の病室へ入ってくるなり玄徳はあわてて云った。

「横臥しておればよいに、無理をして病を重くしては、せっかく見舞いにきたのが、かえって悪いことになる。軍師、遠慮せずに、横になっておれ」

「もったいないことです。君侯御自ら臣下の家へお越し給わるさえ恐懼にたえませんのに、みぐるしい病人の枕頭へ親しくお見舞いくださるとは、何と申してよいかわかりません」

「すこし痩せたのう。食餌はどうか」

「余りすすみませぬ」

「いったいどういう病か」

「心の煩いです。肉体には病はないつもりです」