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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

二

先手の呂蒙や甘寧の軍は、あまりに敵を急追して、その快足にまかせたまま、中軍とへだたり過ぎている。

後陣の凌統は、まだ逍遥津の一水を、全部渡河しきっていないらしい。

だが、はるかに、中軍の旗が、裂かれる如く、乱れ立ったのを見て、凌統は、

「すわ、何事か、凶事か?」と、部下をも置き捨て、単騎、これへ馳けつけて来た。

見れば、孫権以下、中軍の旗本七百ばかりは、敵の奇襲に包囲されて、まったく殲滅寸前の危機にあった。

凌統は、声をあげて、乱軍のなかの孫権へ叫んだ。

「君っ、君っ、わが君。雑兵ごときを相手となし給わず、ひとまず小師橋を渡って、お退きあれ」

耳へとどいたか、孫権はふり向いて、

「おお、凌統か。案内せよ」

と云いながら、こちらへ向って、一目散に馳けてきた。

だが、二人して小師橋まで遁れてきたはいいが、すでに橋の南一丈ばかりは、敵の手に破壊されていた。

二

「やあ。しまった」

馬は、水におどろいて、竿立ちになっていななく。

うしろからは、張遼の兵、三千ほどが、ふたりの影を認めて、雨のごとく、箭を射てくる。

「凌統。何としたものぞ」

孫権は、馬と共に、鞍上で身を揉んだ。