Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
月落つ麦城
一
「ううむ、いかなれば、かくは……」と、牙を咬み、恨気天を突いて、眦も裂けよと一方を睨んでいたと思うと、如何にしけん関羽はがばと、馬のたてがみへうっ伏してしまった。
臂の瘡口が裂けたのである。
抱きおろして、人々は介抱を加えたが、関羽は、自己の不明を慚愧してやまず、呂蒙の策や烽火台の変を聞いては、
「われ過って、豎子の謀にあたる。何の面目あって、生きて家兄(玄徳)にまみえんや」
と、鎧の袖に面をつつんで声涙ともに咽んでいた。
一方、樊城を出て、一夜に攻守転倒、追撃に移っていた曹仁は、その臣、司馬趙厳の、
「もうこれ以上、関羽を窮地へ追うのは愚です。呉に害を残しておくために――」という深謀に諫められ、いかにもと兵を収めて、曹操の中軍にことごとく集まった。
曹操は徐晃をこのたびの第一級の勲功とたたえ、平南将軍に封じて、襄陽を守らせた。
月落つ麦城
一
進まんか、前に荊州の呉軍がある。退かんか、後には魏の大軍がみちている。
眇々、敗軍の落ちてゆく野には、ただ悲風のみ腸を断つ。
「大将軍。試みに、呂蒙へお手紙を送ってみたら如何ですか。かつて呂蒙が陸口にいた時分は、よく彼のほうから密書をとどけ、時来らば提携して、呉を討ち、魏を亡ぼさんと、刎頸の交わりを求めてきたものです。