Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
四
「来たか」
曹丕は定めしほくそ笑んだであろう。詔書を拝すや、直ちに禅りをお受けせん、と答えそうな容子に、司馬懿仲達があわてて、
「いけません。そう軽々しくおうけしては」と、たしなめた。
四
たとえ欲しくてたまらないものでもすぐ手を出してはいけない。何事にも、いわゆる再三謙辞して、而うして受く、というのが礼節とされている。まして天下の誹りを瞞ますには、より厳かに、その退謙と辞礼を誇大に示すのが、策を得たものではないでしょうか。――司馬仲達は眼をもってそう主君の曹丕へ云ったのである。
曹丕は、すぐ覚って、
「儂はとうてい、その生れにあらず、万乗を統ぐはただ万乗の君あるのみ」
と、肚とはまったく反対なことばを勅使に答えて、うやうやしくも王朝に表を書かせ、一たん玉璽を返し奉った。
勅使の返事を聞かれて、帝はひどくお迷いになった。侍従の人々を顧みられて、
「曹丕は受けぬという。どうしたものであろう?」
と、いささかそれに依って御眉を開かれたようにすら見えた。
華は、お側を離れない。彼はすぐこう奏上した。
「むかし堯の御世に、娥皇、女英という二人の御娘がありました。堯が舜に世を禅ろうというとき、舜はこばんで受けません。