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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

藤甲蛮

一

と、またも放してやった。

今は大言毒舌を吐く気力もなく、孟獲は鼠の如く、頭を抱えて逃げ失せた。それを王と仰ぎ家長と慕う眷族たちの意気地なさはいうまでもない。

藤甲蛮

一

すでに国なく、王宮もなく、行くに的もない孟獲は、悄然として、

「どこに落着いて、再挙を図ろうか」と、周囲の者に諮った。

彼の妻の弟、帯来がいった。

「ここから東南の方、七百里に、一つの国がある。烏戈国といって、国王は兀突骨という者です。五穀を食まず、火食せず、猛獣蛇魚を喰い、身には鱗が生えているとか聞きます。また、彼の手下には、藤甲軍と呼ぶ兵が約三万はおりましょう」

「藤甲軍というのは?」

「烏戈国の山野いたる所、山藤がはびこっているので、その蔓を枯らして後、油に浸し、また陽にさらしては油に漬け、何十遍かこれをくり返して、それで甲を編むのです。この甲を着こんだ兵を名づけて藤甲軍といい、まだこれに勝った四隣の国はありません」

「どうしてだろう」

「藤甲の特徴は、第一水に濡れても透しません。第二は非常に軽いので、身体軽敏です。第三には、江を渡るにも船を用いず、藤甲の兵はみなよく水に身を浮かして自由自在に浮游します。