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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

三

いま木からもいだように水々としていますから」

曹操は、驚いたが、油断ならずと思ったか、左慈に向って、

「まず、毒味をせよ」と、いった。

左慈は笑って、

「柑子の美味を満喫するなら、てまえは一山の柑子の樹の実を、みな喰べなければおさまりません。ねがわくは、酒と肉をいただきたいもので、柑子は口直しに後でいただきます」と、答えた。

酒五斗に、大きな羊を、丸焼きのまま銀盤に供えて喰わせた。左慈は、ぺろんと平げて、まだ物足らない顔していた。

「これは凡人でない」

と思ったか、曹操も、やや辞をやわらげて、ご辺は、仙術でも得た者ではないかとたずねた。

左慈は、答えて、

「郷を出てから、西川の嘉陵へさまよい、峨眉山中に入って、道を学ぶこと三十年。いささか雲体風身の術を悟り、身を変じ、剣を飛ばし、人の首を獲ることなど今はいと易きまでになり得ました。ところで、大王の今日を見るに、はや人臣の最高をきわめ、これ以上の人慾は、人間の地上では望むこともないでしょう。――どうじゃな、ここでひとつ、一転して身を官途から退き、この左慈の弟子となって、ともに峨眉山に入って、無限に生きる修行をなさらんか」