Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
三
呂蒙を士卒から抜擢したのはその明です。于禁をとらえて殺さず、その仁です。荊州を取るに一兵も損ぜなかったのは、その智です。三江に拠って天下を虎視す、その雄です。身を屈して魏にしたがう、その略です。……豈、聡明智仁勇略の君といわずして何といいましょうか」
曹丕は笑いを収めて、この鼻曲りの小男を見直した。――身を屈して魏に従うこれ略なり、とはよくも思いきっていえたもの哉と、魏の群臣もその不敵さに皆あきれていた。
三
曹丕はくわっと眼をこらして彼を見くだしていた。大魏皇帝たる威厳を侵されたように感じたものとみえる。
やがて曹丕は、趙咨にむかって、あえてこういう言葉を弄した。
「朕はいま、心のうちに、呉を伐たんかと考えておる。汝はどう思うか」
趙咨は額をたたいて答えた。
「や。それも結構でしょう。大国に外征をする勢力があれば、小国にもまた守禦あり機略あり、何ぞ、ただ畏怖しておりましょうや」
「ふーむ。呉人はつねにも魏を怖れておらないというか」
「過大に恐れてもいませんが、過大に莫迦にしてもおりません。わが精兵百万、艦船数百隻、三江の嶮を池として、呉はただ呉を信じているだけであります」