Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
「――む、む」
「張魯の心証は、俄然、馬超に対して悪化しました。弟の張衛もまた、楊松と親密なので、大いに馬超を讒言し始め、馬超は漢中の兵を借りたのを奇貨として、私に蜀を攻め取り、後には漢中へ弓をひく料簡だろう――と、そんなことを云い触らし始めたのです」
「張魯のこころは?」
「同様に怒り立って、ついに張衛に兵を与えて国境に立たせ、たとえ馬超が帰るも、漢中に入るるなかれと命令し、かつ、使者をもって、馬超の陣へ臨ませ――汝、命にそむいて、ここを引き揚げぬからには、一ヵ月のあいだに三つの功を遂げよ。一、蜀を取る。二、劉璋の首を刎ね、三、玄徳以下荊州軍をことごとく蜀外に追い払え。――と申し渡したとか。以上は、馬超の身を包んでいる事情です。その窮地を私は救ってやろうと考えます。どうか私の三寸の舌におまかせ下さい」
「軍師みずから行って馬超を説かんといわれるのか」
「そうです。それくらいな誠意をこちらも示さねば……」
「危ない。万一、不慮の事が生じたら取り返しがつかぬ」
「いや、ご心配はありません。明日、朝の光を見たら、直ちに行って、馬超に面会を求めましょう」
「まあ、今夜一晩、考えてからにしよう」