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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも、こんどの遠征は、いつもの丞相らしい冴えがない」

諸将はいぶかった。

許都を発するとき荀が毒をのんで死んだことなどが、なにか、丞相の心理に影響しているのではあるまいか、などとささやく者もいた。

いずれにせよ、連戦連敗をかさねて、その年の暮れてしまったことは現実だった。

翌建安十八年、正月となっても、はかばかしい戦況の展開はなく、二月に入ると、毎日、ひどい大雨がつづいて、戦争どころでなくなってしまった。

人類がこの地上で遭遇した大雨の記録を破ったろうと思われるほどな雨量だった。日夜大雨はやまず、陣小屋も馬つなぎも、ことごとく流され、曹操の中軍すら、筏を組んで、遥かな北方の山上へ移って行ったような有様だった。

次には当然、食糧難が起ってきた。兵はうらみを含み郷愁を思う。

諸将の意見もまちまちだった。硬論を主張するものは、陽春の候もやがて近し、死馬を喰って頑張っても、その時を待って一戦を決せずんば、遥かに南下した効もないという。

こういう状態の中へ、呉侯孫権から一書が来た。文に曰く。

予モ君モ共ニ漢朝ノ臣タリ、マタ民ヲ泰ンズルヲ以テ徳トシ任トスル武門ノ棟梁デハナイカ。