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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「成都も今が終りか」と、一晩中、慟哭した。

あくる日、簡雍と名乗って、一輛の車が、城門の下へ来た。劉璋が門を開かせて、

「ともあれ迎えよ」というので、案内すると、簡雍は車のまま城中へ通ったのみか、ひどく尊大ぶって、迎えの将士を睥睨してゆくので、ひとりなお気概のある大将が、

「こらっ、ここをどこと心得る。蜀の本城に人はいないと思うかっ」

と、剣を抜いて、車上の者の鼻面へつきつけた。

簡雍はあわてて車から飛び降り、無礼をわびて、急に慇懃になった。

「先生のこれへ来られたのは何事ですか」

しかし劉璋は、彼を軽んじることなく、堂上に請じて、大賓の礼をとった。

「謹んで太守の賢慮を仰ぎ、蜀中の民を救わんがためです」

簡雍は、口を極めて、玄徳の人間をたたえ、その性は寛弘温雅、心をもって結べば、決して相害するような奸人ではないと告げた。

劉璋は、一晩、簡雍を泊めて、次の朝、翻然と悟ったもののごとく、印綬、文籍を簡雍に渡し、ともに城を出て降参の意を表した。

玄徳はみずから迎え立ち、劉璋の手をとって云った。

「私交としては、人情にうごかされるが、時の勢いと、公なる立場から、きのうまで、成都を攻め、今日、あなたの降を容れることとなった。