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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

「荊州を還さぬという問題をとらえてですか」

「そうじゃ。亮……察してくれよ」

「お気づかいには及びません。荊州さえ還せばみな獄から解かれましょう。兄上の妻子にまでご災難の及んでゆくのを、なんで孔明が坐視しておりましょう。君へ申しあげて、きっと荊州は呉へ還します」

「おお……そうしてくれるか」

諸葛瑾は、涙を喜色にかえて、弟に謝し、次の日ひそかに玄徳へ会った。そして、

「これは、呉侯からのご書簡ですが」

と、孫権からの一書を呈すると、玄徳はそれを披見して、たちまち色を作した。

諸葛瑾は、はっとした。側にいた孔明も、眼をみはった。玄徳の手にその書簡は引き裂かれ、その眸は、天の一方を見て、独り語にこう叫んだ。

「無礼なり孫権。――もとより荊州はいつか呉へ還さんとは思っていたが、汝、いたずらに小策を弄し、わが夫人を欺いて、呉へ呼び返すなど、玄徳の面目を無視し、夫婦の情を虐げ、いつかはこの恨みをと、骨髄に刻んでいた玄徳の心を知らないかっ。――むかし一荊州にありし時だに、汝ごときは物の数としていたわれでない。いわんや今、蜀四十一州を併せて、精兵数十万、肥馬無数、糧草は山野に蓄えて、国人みな時にあたるの覚悟をもつ。