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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

「……ふふん。甘寧か」

凌統は、鼻さきで笑った。さっきから上機嫌な甘寧の容子は、たれの眼にも武功自慢に見えた。――のみならず凌統は、彼と眸を見あわせたとたんに、亡父のことを思い出していた。むかし甘寧に討たれて死んだ父のことがふと胸を掠めた。

(……うぬ)と思ったせいか、甘寧のほうでも、

(この青二才が)

といわぬばかりな眼光を与えて、

「凌統。何を嘲うか」

と、色を変えた。――いや、凌統が無意識に手をかけた剣の柄を、咎めるように睨めつけた。

凌統はハッとした。まったく時も場所がらも忘れて、剣にかけていた自分の手に、気がついたからだった。

「――あいや、私にはまだ武勲がないので、せめて座興に、剣の舞でも舞って、諸兄の労をお慰め申さんかと存じまして」

いいながら彼はすぐ起って、剣舞をしはじめた。甘寧もさてはと、うしろの戟をとるや否、

「いや面白い。君が剣をもって舞うなら、それがしは戟をもって興を添えん」

と、両々たがいに閃々たる光を交え、舞うと見せて、実は、心中の遺恨を刃にふくんで、隙あらば父の仇を果たさん、隙あらば返り討ちに斬り捨てんと――虚実を尽くし合っていた。