Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
と訊ねた。蔡※(「王+炎」、第3水準1-88-13)はかしこまって、
「これは、曹娥と申すものの碑文でございます。昔、和帝の朝、会稽の上虞というところに、曹※と申す一人の師巫がおりました。この人は神楽の上手な人で、ある年の五月五日、したたか酒に酔いまして、舟の上で舞いますうち、あやまって川に落ち、水に溺れて、とうとう死にました。その人に十四歳になる娘がありましたが、これを哭き哀しみまして、毎日毎夜川のふちをめぐっておりましたが、七日七夜目、とうとう娘も淵に飛び込んでしまったのです」
曹操は、感じ入ったごとく、まじろぎもせず、蔡※(「王+炎」、第3水準1-88-13)が語るを聴き入っていた。
「……それから五日目のことでございます。その娘が、父の屍を負うて、水面に浮び出ましたので、里の人々は父を思う娘の一念に驚きましたが、この心を憐れに思いまして、岸の辺にねんごろに葬りました。程なく、このことが、上虞の令度尚と申す人から帝に奏され、孝女なりと仰せられ、邯鄲淳に文章を草すべく命ぜられ、石にそのことを刻まれました。邯鄲淳はこのとき年歯わずかに十三歳で、筆を揮ってこの文を作し、一字も訂正しなかったと申します。