Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
まず、樊城の城内をうかがえば、すでにそこの敵は外部と断たれてから、士気もふるわず旗色も萎靡して、未だに魏の援軍とは連絡のとれていないことが分る。
また一方、城外十里の北方を見ると、その附近の山陰や谷間や河川のほとりには、なんとかして城中の味方と連絡をとろうとしている魏の七手組の大将が七軍にわかれて、各所に陣を伏せている様子が明らかに遠望された。
「関平。土地の案内者をここへ呼べ」
「――連れて参りました。この者が詳しゅうございます」
しきりと、地勢をながめていた関羽は、案内者へ向ってたずねた。
「敵の七軍が旗を移したあの辺りは、何という所か」
「口川と申しまする」
「なお、附近の河は」
「白河の流れ、襄江の激水、いずれも雨がふると、谷々から落ちてくる水を加えて、もっと水嵩を増してまいります」
「谷は狭く、うしろは嶮岨だが、ほかに平地は少ないのか」
「されば、あの山向うは、樊城の搦手で、無双な要害といわれておりますから、人馬も容易には越えられません」
「そうか、よし」と案内者を退けてから、関羽は何事かもう勝戦の成算が立ったもののように、
「敵将于禁を擒にすることは、すでにわが掌にあるぞ」