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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

なにとぞ、蜀にとって唯一無二なるお身でもあり、かたがた、将来の大計のため、ここはひとたび荊州へお引き揚げあって、充分なるご加養をしていただきたいと存ずるのであります。……いま大将軍の御身に万一のことでもあっては、ただに荊州一軍ばかりでなく、蜀全体の重大なる損失ともなることですから」

「…………」

黙然と聞いていた関羽は、やおら座をあらためて、王甫のことばを抑えた。

「王甫王甫。また関平もそのほかの者も、無用な時を費やしまた無用な心をつかわなくてもよい。わが生命はすでに蜀へささげてあるものだ。武人の一命は常に天これを知るのみ。樊城一つを攻めあぐねて荊州へ引き揚げたりと聞いては以後、関羽の武名はともあれ、蜀の国威にかかわる。――一矢の瘡など何かあらん。戦場に立てば十矢百矢も浴びるではないか。黙って、わしの下知に伏せ」

人々は、一言もなく、そこを退がったが、憂いはなお深い。その夜、関羽はまた、大熱を発し、終夜、痛み苦しんだ。徳に射られた左の臂の瘡である。あの鏃に、死んだ※(「广+龍」、第3水準1-94-86)徳の一念がこもっているかのようだった。

総攻撃も、ために自然沙汰やみになった。