Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
――そこへわずか二千や三千の援軍を送ってみた所でどうなるものですか。かえって、この上庸をも危うくするものです」
孟達の言は常識だ。しかし劉封には苦悶があった。なぜならば関羽は彼の叔父だからである。
孟達はその顔色を読んで、
「あなたは劉家のご養子ですから、本来、漢中王の太子たるに、それを邪げた者は関羽でした。始め、その儀について、漢中王が孔明に訊ねたところ、孔明は悧巧者ですから、一家の事は関羽か張飛にご相談なさい――と巧く逃げた。で、関羽へお訊ねが行ったところ関羽は――太子には庶子を立てないのが古今の定法である。劉封はもと螟蛉の子、山中の一城でも与えておかれればよいでしょう――と、まるであなたを芥のようにしか視ていない復命をしたものです」
「……とはいえ、いま関羽を見殺しにしたら、世の誹りは如何あろう?」
「誰が、一杯の水で薪車の炎を消し得なかったと咎めましょう」
劉封も遂にその気になり廖化に会って断わった。廖化は愕然として頭をたたき、面を床にすりつけて、
「もしお援け下さらねば、関将軍は麦城に亡びますぞ。見殺しになさる気か」
と、痛哭した。
「――一杯ノ水、安ンゾ能ク薪車ノ火ヲ救ワン」