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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme

Aozora Bunko

そして養子関平と並べてその首を打ち落した。時、建安二十四年の十月で、この日、晩秋の雲はひくく麦城の野をおおい、雨とも霧ともつかぬ濛気が冷やかにたちこめた。

「馬忠への褒美には、関羽の乗っていた馬をとらせるであろう。関羽に恥じぬ手柄をあらわすがいい」

関羽の愛馬は世にも名高い駿足赤兎である。孫権は、馬忠にそれを与え、また潘璋にはこれも関羽の遺物となった青龍の偃月刀を与えた。

(名将にあやかりたい)は誰もの心理とみえて、敵人ながら関羽の遺物はその片袖その一すじの紐まで呉の将士に欲しがられた。その意味で馬忠は皆から羨望の的になったが、

「……これはいかん。どうしたのだろう?」

四、五日すると、彼はひどく悄気てしまった。

なぜならば拝領の赤兎馬は、関羽の死んだその日から草を喰わなくなったからである。秋日の下に曳きだして、いかに香わしい飼料をやっても、水辺に覗かせても、首を振っては悲しげに麦城のほうへ向っていななくのみであった。麦城にはまだ百余人が籠城していた。けれど、その後、呉軍が迫ると、すでに王甫も関羽の死を知ったとみえ矢倉の上から飛び降りて死んだ。また関羽の片腕といわれた周倉も自ら首を刎ねて憤死した。