Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(七) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N1. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N1 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 371.916 Zeichen · 744 Bildschirme
梨の木
一
「時を待つべきです。関羽がなお生存ならばどんな犠牲も厭うものではありませんが、もう焦心っても無益です。――この上はしばらく兵を収めてじっと時の移りを観、呉と魏のあいだに、何らかの不和を醸し、両者が争いの端を発したとき、蜀は初めて起つべきでしょう。それまではご無念も胸に畳んでおかれますように……」
この日、漢中王の名をもって、蜀中に喪は発せられ、成都宮の南門には、関羽を祭る壇が築かれ、そして雪積む冬中も弔旗は寒天に凍っていた。
梨の木
一
戦陣に在る日は、年を知らない曹操も凱旋して、すこし閑になずみ、栄耀贅沢をほしいままにしていると、どこが痛む、ここが悪いと、とかく体のことばかり訴える日が多かった。
いかんせん彼もすでに今年六十五という老齢である。体のままにならないのは自然だったが、自分ではまだそう思わないらしい。「どうもこう近頃のように勝れないのは、関羽の霊でも祟っているのではあるまいか――」などと時々気に病んでいたりした。
ある時、側臣たちが、
「この洛陽の行宮も、もうずいぶん殿宇が古くなっていますから、自然怪異のことが多うございます。居は気をかえると申しますから、べつに新殿を一宇お建てになられては如何ですか」